III-V族多接合太陽電池は、一般的にGaAsやInPなどの半導体単結晶基板(ウェハ)上にエピタキシャル成長によって製膜されます。
半導体基板とエピタキシャル成長層(エピ層)は原子レベルで一体化しているため、デバイスとして用いる場合には通常基板ごと任意の形状に切出して使用されます。しかし、特別な方法を用いると、基板からエピ層(=デバイス層)を取り外すことが可能になります。
宮下研では、基板からエピ層を分離可能な技術の研究開発を行っています。デバイス層に注目すると、フレキシブルな太陽電池シートなどへ応用することができます。また、基板側に注目すると、次の結晶成長に何度も再利用することで、デバイスの製造コストの大部分を占める基板コストの削減が可能となるため、工業的にも期待の大きい技術といえます。
![]() |
![]() |
ELOによるデバイス層剥離イメージ | ELOにより作製したフレキシブル太陽電池シート |
![]() |
![]() |
スポーリング法を用い試作したフレキシブル太陽電池 | スポーリング法で試作したInGaP/GaAs 2接合太陽電池の発電特性 |